遺伝性疾患



股関節形成不全
ゴールデンで一番問題にされている疾患は、股関節形成不全(Hip Dysplasia)でしょう。これは1930年代に初めて報告されました。「形成不全」とは、正常でない発達という意味です。幼犬の時は外見上正常なのに、正常に発達しない為に構造が異常になるのです。

ゴールデンにおけるHDの程度は、全く機能的に支障をきたさない軽度のものから、歩行困難となる重度のものまでありますが、本当に重度のHDはゴールデンではそう多くありません。正確な診断の為には、レントゲンを撮る必要があります。症状としては、スムーズに起き上がれない、後ろ足が弱々しい、歩様の異常、疲れなどあります。おデブは大敵です。子犬の時から、正しい健康管理・体重管理を行いましょう。

ただ、HDの遺伝様式は明確に解明されてはいないのです。環境(おデブ・栄養障害・運動・外傷など)もHDの発現に明らかに影響を与えるとも考えられます。ですから、「正常な」祖先を持つ「正常な」犬同士を交配したからといって、全て正常な子犬が産まれる保証はありませんが、HDと診断された犬はブリーディングに適しているとは言えないでしょう。


その他の整形外科疾患
骨軟骨症(OCD)
通常は、急速に成長する若犬で、メスよりオスに発生しやすいようです。肩関節が最も多く、膝関節、肘関節、股関節、踵のような所にも発生します。軽度のものから重度のものまであり、関節内の軟骨が障害を受ける事によって起こり、びっこの原因になります。遺伝によるもの、高カロリーの食餌、急激な成長が原因と考えれています。

肘形成不全(elbow dysplasia)
進行性のもので、7〜8ヶ月令になるまではレントゲンでも確認できません。骨軟骨症と関係あると言われています。

汎骨炎(long-bone disease)
典型的な症状は、若い犬のある1本の足がびっこになり、1〜2週間後にまた別の足がびっこになるのという、原因不明の長骨の骨髄の炎症です。5〜12ヶ月令に最も良くみられます。しかし、これは一時的なもので、通常は2〜3ヶ月でおさまり、ほとんどの犬は18ヶ月令までに外見的にもレントゲンにおいても正常になります。


皮膚炎とアレルギー
ゴールデンに限らず、アレルギー体質の犬は数多くいますが、ゴールデンは毛も多く、泳ぐ事が好きなので、その点でも皮膚病になりやすいようです。まめなグルーミングとケアーで多くは予防することができるはずです。季節としては、春から夏にかけてが多いようです。

アレルギーの原因は、環境、食餌などその犬によってさまざまで、特定するのはむずかしい場合があります。食物アレルギーや食物不耐性の場合は食餌を変える必要もあるかもしれませんが、獣医師の指導のもとで行うべきでしょう。また、質の良いフードは皮膚やコートの状態を良くする事でしょう。

明らかにアレルギー体質がある場合は、その体質を子孫に遺伝させる可能性がありますので、ブリーディングに適しているとは言えないでしょう。


眼の疾患
若年性白内障
全ての白内障が問題となる訳ではなく、典型的なものは、後部の極に三角形に生じる白内障で、ほとんどの場合、視力に深刻な影響を与えるものではありません。通常、若い時期、大抵は7歳以前に発生する為、白内障と呼ばれますが、それ以上の年齢でも発現する場合もあります。

中心性進行性網膜萎縮
網膜の中心から始まる光受容器の退廃で、進行性の疾患であり、ほとんどの犬がいつかは失明してしまいます。痛みはなく、大抵徐々に視力を失っていくので、状況に適応していきます。若年性白内障に比べれば、稀です。


その他、心臓疾患、発作・てんかん、フォンウエルブランド病、甲状腺機能低下症、歯 の疾患もあります。

LGR